
遺言書を作成する場合の実質的な選択肢は「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2つでしたが、2028年以降には第三の選択肢として「デジタル遺言」が加わることになりました。
【参考】
遺言書の選択肢と書き方|行政書士・遠山桂事務所(中津川市蛭川)
「デジタル遺言」とは、全文を本人の手書きで作成する「自筆証書遺言」から派生する形式で、パソコンでの作成も可能とするものです。
長文を間違いがないように手書きをするのはたいへんで、パソコンによる作成が認められるのはメリットが大きいところです。
「自筆証書遺言」の要件は以下の3つです。
(1)遺言書の全文が遺言者の手書きで記述されていること。プリンタ印字は不可です。(財産目録についてはプリンタ印字も可)
(2)日付と氏名が記載されていること。
(3)押印してあること。(実印ではなくても可。)
※民法改正(公布2026年)により公布日から3年以内に押印は不要となりますが、それまでは押印が必要。
この「自筆証書遺言」の要件から「全文の手書き」と「押印」を削り、デジタルデータでの作成を可能にするとともに「電子署名」や「全文を本人の口述による確認」という新たな要件を追加したのが「デジタル遺言」ということになります。
これにより2028年以降は「デジタル遺言」「自筆証書遺言」「公正証書遺言」の3つが通常の遺言形式の選択肢になっていくでしょう。
その新たな遺言形式である「デジタル遺言」の特徴は以下のとおりです。
(1)全文をデジタルデータで作成可能。(公的個人認証サービスの電子証明が必要)
(2)法務局にて証書を保管。(対面での視認確認)
(3)マイナンバーカード等の顔写真付きの本人証明。
(4)本人が法務局職員の前で、その証書の「全文を口述」。(オンライン面談も可能)
(5)本人死亡後に法務局から相続人等へ「遺言書を保管している旨」の通知が可能。
※「自筆証書遺言」は相続時に法務局による検認手続が必要ですが、「デジタル遺言」では法務局が事前に内容確認をするため検認手続が省略されます。
以上のように、「デジタル遺言」は「全文の手書き」をする必要がなくなり、長文の手書きが困難になった高齢者にとっては手続のハードルが下がる面はあります。
しかし、「デジタル遺言」は「電子署名への対応」や「本人が法務局職員の面前で全文を読み上げる」という新たなハードルが設けられています。
デジタル機器の取り扱いに習熟し、全文の読み上げが可能な方にとっては「デジタル遺言」はメリットの大きい制度と言えるでしょう。
デジタル対応が困難な方は、従来通りの「自筆証書遺言」か「公正証書遺言」を選択するのが無難になります。
手書きもデジタル対応も、どちらも困難な事情がある場合は、「公正証書遺言」を選択するとよいでしょう。
「公正証書遺言」であれば、手書きの必要はなく、証書の読み上げも公証人が行うため本人はそれに承諾するだけで済みます。病院や施設に入っている場合でも、公証人による出張対応も可能です。
【参考】
認知症の親に遺言書を作成してもらいたいなら公正証書という選択も|行政書士・遠山桂事務所(中津川市蛭川)
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遺言書の作成サポート|行政書士・遠山桂事務所(中津川市蛭川)